①イオン導入とは?
イオン導入は、微弱な電流を利用して、主にイオン化した
美容成分が皮膚内へ移動するのをサポートする技術です。
肌の最も外側にある角層は、外部刺激から肌を守るバリア機能を
担っています。その一方で、美容成分が通過しにくいという性質もあります。
イオン導入では、電気的な反発力や電気浸透などの作用を利用し、
塗布するだけでは皮膚の届きにくい成分の移動を促します。
イオン導入の特徴
・イオン化する水溶性成分との相性を考慮して設計されている。
・ビタミンC誘導体などを使用する施術で活用される
・使用する成分の電荷やpH、機器の極性などを考慮する必要がある
・比較的シンプルな導入メニューを構成しやすい
どのような成分に向いている?
代表例として挙げられるのが、ビタミンC誘導体などの
イオン化する水溶性成分です。
ただし、ビタミンC誘導体には複数の種類があり、すべてが同じ条件で
導入できるわけではありません。
成分の種類や処方、機器の仕様を確認して選ぶことが重要です。
ポイント:イオン導入は、導入したい成分の電気的性質を踏まえて
活用する技術です。
②エレクトロポレーション(ポレーション)とは?
エレクトロポレーションは、短い電気パルスなどを利用し、
皮膚のバリア機能に一時的な変化を与えることで、美容成分の移動を
サポートする技術です。
イオン導入が主に電気的な力による成分の移動を利用するのに対し、
エレクトロポレーションは皮膚の透過性を一時的に高める仕組みを利用します。
エレクトロポレーションの特徴
・イオン化の有無だけでは選べない、さまざまな成分の導入を検討できる
・ペプチドなど、イオン導入では条件の検討が難しい成分にも対応できる可能性がある。
・機器の出力条件やパルス方式、使用する美容液の処方によって適性が異なる。
・導入できる成分や期待できる効果は、機器と化粧品の組み合わせによって変わる
どのような成分に向いている?
例えば、ペプチドやヒアルロン酸などを複合した美容液を使用する
施術が考えられます。
ただし、ここで注意したいのが、「ポレーションなら、どんな美容成分でも
肌の奥まで届けられる」というわけではないことです。
ヒアルロン酸は分子量によって性質が異なり、ペプチドも種類や分子サイズによって
皮膚への移動しやすさが変わります。導入を想定した化粧品であること、
機器との適合性が確認されていることが大切です。
ポイント:エレクトロポレーションは、イオン導入とは異なる仕組みで成分の
移動をサポートする技術です。
③どのようなときに使い分ける?
ここからは、実際のサロンメニューを想定した使い分けを考えてみましょう。
ケース①ビタミンC誘導体を使ったケアを行いたい
イオン導入を検討する場面です。
ビタミンC誘導体をしようした肌のコンディションケアや、肌の透明感を意識した
メニューを組み立てる際には、成分がイオン導入に適しているのかを確認しましょう。
成分の種類によっては、他の導入方法が適する場合もあります。
ケース②ペプチドなどを配合した美容液を使いたい
エレクトロポレーションを検討する場面です。
イオン化の条件だけでは選びにくい成分を使用したい場合は
ポレーション対応の機器と美容液の組み合わせを確認します
成分の分子サイズや処方によって適性は異なります。
ケース③乾燥が気になるお客様に保湿ケアを提案したい
どちらの方法も選択肢になります。
まずは肌状態を確認し、保湿成分の種類や化粧品の処方、施術後の保湿ケア
まで含めて考えます。ポレーションを使うかどうかだけでなく、使用する
美容液そのものの保湿設計も重要です。
ケース④複数の肌悩みに対応するフェイシャルメニューを作りたい
使用したい美容液やメニュー構成から逆算して選びます。
複数の導入用美容液を使い分けたいサロンでは、対応成分の幅、施術時間
操作性、ランニングコストを含めて比較すると、導入後の運用を
イメージしやすくなります。
④2つの機能を組み合わせるという考え方
イオン導入とエレクトロポレーションは、必ずしもどちらか一方だけを
選ぶ必要はありません。
機器によっては両方の機能を備えたものもあり、導入したい成分や
施術目的に合せて使い分ける方法も考えられます。
ただし、2つの機能が搭載されていることだけで、施術効果が高くなるとは限りません。
例えば、次のような点を確認しておくと良いでしょう。
・使用したい美容液が各方式に対応しているか
・機器の出力や施術条件が、想定するメニューに適しているか
・施術時間や操作性が、サロンの運営に合っているか
・消耗品や専用美容液のコストを含め、継続して運用できるか
機器選びでは、機能の数だけでなく、実際に提供したい施術との
相性を見極めることが大切です。
⑤導入機器を選ぶ際に確認したいポイント
サロンへの機器導入を検討する際は、次の4点をチェックしてみましょう。
・導入したい美容成分
ビタミンC誘導体を中心に使いたいのか、ペプチドや保湿成分を含む
美容液も活用したいのか。まずは、使用したい化粧品を明確にします。
・使用する美容液との適合性
導入方式に対応していることだけでなく、成分の種類、分子サイズ、処方
使用方法まで確認しましょう。
・施術メニューとの相性
既存のフェイシャルに追加するのか、導入施術を中心とした新しいメニューを
作るのかによって、必要な機能や施術時間は変わります。
・導入後の運用コスト
機器本体の価格だけでなく、専用美容液、消耗品、メンテナンス、施術にかかる時間も含めて比較することが重要です。
⑥まとめ
大切なのは、肌悩みと美容成分に合せた選択
イオン導入とエレクトロポレーションは、どちらも美容成分の皮膚への
移動をサポートする技術ですが、その仕組みは異なります。
イオン導入は、イオン化する成分の電気的性質を踏まえた施術に向いています。
一方、エレクトロポレーションは、電気パルスを利用した異なるアプローチで、
様々な美容成分の導入を検討する際に選択肢となります。
ただし、どちらの方法でも、すべての美容成分に同じような効果が期待できるわけではありません。
「どちらの機器が優れているか」ではなく、
「どの美容成分をどのような目的で使用したいか」から考える事
それが、サロンに合った導入機器を選び、機器の機能だけでなく、対応する美容成分や施術条件、導入後の運用まで含めて検討してみてください。