①施術料金は「周りのサロン」だけを見て決めない
料金設定をする時、まず近隣のエステサロンの価格を調べることは大切です。
同じエリアで、同じような施術を提供しているサロンがどのくらい価格で営業しているかを知ることで、自分のサロンの価格帯を考える参考になります。
しかし、「近所のサロンが8,000円だから、自分も8,000円」とうい決め方はおすすめできません。
サロンによって、
・家賃
・人件費
・広告費
・美容機器の導入費用
・化粧品や消耗品
・水道光熱費
・決済手数料
・施術時間
などのコストは大きく異なるからです。
大切なのは、単純な「売り上げ」ではなく、1回の施術でどれくらい利益を残せるかを考えることです。
②「安くすれば集客できる」は本当?
「まずはお客様を増やしたいから、単価を安くしよう」と考える方も多いでしょう。
確かに、料金が安いことは新規のお客様にとって予約するきっかけの一つになります。
例えば、通常12,000円の施術を初回5,000円にすれば、「一度試してみよう」と考えるお客様は増える可能性があります。
しかし、安さだけを理由に来店するお客様が増えると、別の問題が出てくることがあります。
・通常価格に戻したときに高く感じられる
・値上げがしにくくなる
・価格重視のお客様が中心になる
・施術時間に対して利益が少なくなる
・広告費をかけても利益が残りにくい
つまり、「集客できた=成功」ではありません。
サロン経営では、「利益を残しながら集客し、リピートに繋げる」ことが重要です。
③単価を安く設定して後悔するケース
例えば、本来10,000円で提供したい施術を「新規のお客様を増やしたい」という理由で6,000円に設定したとします。
月30人のお客様が来店した場合
10,000円×30人=300,000円
6,000円×30人=180,000円
となり、売上には12万円の差が出ます。
もちろん、価格を下げることで来店人数が増えるのであれば意味があります。
しかし、施術時間やベッド、家賃などの固定費が大きく変わらないのであれば、単純に価格を下げただけで利益が減ってしまいます。
さらに、月30万円の売上を10,000円の施術で作る場合は30人必要ですが、6,000円の施術では50人必要になります。
つまり、単価を下げるほど、同じ売り上げを作るために必要なお客様の人数が増えていきます。
「安くして沢山のお客様に来てもらう」という方法が悪いわけではありません。
ただし、安くすることで「必要な客数」がどのくらい増えるのかまで考えておくことが大切です。
④「高め料金にしたい。でも集客できる自信がない」
一方で、
「できれば適正な価格で提供したい。でも12,000円、15,000円と設定して本当にお客様が来てくれるのだろうか?」
という不安もあると思います。
ここで大切なのは、価格を下げる前に、その価格で提供する理由を作ることです。
例えば
・使用する美容機器
・使用する化粧品
・施術時間
・カウンセリング
・施術者の技術
・アフターフォロー
・サロンの空間
・ターゲットを明確にする
・他店にはない施術内容
などです。
「この内容なら12,000円でも納得できる」
と思ってもらえることが重要です。
価格そのものだけではなく、価格に見合った価値が伝わっているかを考えてみましょう。
⑤美容機器を導入する前に「1回あたりのコスト」を考える
業務用エステ機器を導入する場合は、機器の価格だけをみて判断するのではなく、その機器を使った施術を何人のお客様に提供する必要があるのかを考えることも重要です。
例えば、100万円の業務用美容機器を導入したとします。
1,000,000÷100回=1回10,000円
となり、100回の施術で機器代相当を回収するという考え方ができます。
もちろん、実際のサロン経営では、これだけで判断することはできません。
機械代以外にも、
・化粧品、ジェルなどの消耗品
・施術者の人件費
・家賃
・水道光熱費
・広告費
・決済手数料
などのコストが発生します。
そのため、
「この機械を導入したら、1回いくらで施術を提供し、月何人のお客様に利用していただければ投資を回収できるのか?」
というところまで、考えておくと、より現実的な料金設定ができます。
⑥「安い・高い」ではなく、3段階で料金を考える
料金設定に迷った場合は、1つの価格だけで考えるのではなく、複数のメニューを用意する方法もあります。
例えば、
初回 6,000円 新規のお客様が試しやすい入り口
スタンダード 12,000円 サロンの中心となるメニュー
プレミアム 18,000円 より高い付加価値を提案するメニュー
このように、「入口」「メイン」「高単価」という役割を分けることで、価格に幅を持たせることができます。
特に注意したいのが、初回体験価格を安くし過ぎないことです。
例えば、通常12,000円の施術を初回3,980円にしてしまうと、通常価格との差が大きくなります。
初回価格を設定する場合でも、通常価格とのバランスを考え、
「通常12,000円→初回8,800円」のように、通常価格との差を小さくする方法もあります。
重要なのは、初回価格で集客することだけではなく、その後も通常価格で通っていただける仕組みを作ることです。
⑦料金を決める前に「必要な客数」を計算してみる
施術料金を決めるときは、
「月にいくら売りたいのか」から逆算する方法もおすすめです。
例えば、月間売上100万円を目標とした場合
1回10,000円なら100回
1回15,000円なら約67回
1回20,000円なら50回
の施術が必要になります。
もちろん、実際には複数のメニューや物販、リピート率なども考える必要があります。
しかし、このように数字にしてみることで、
「自分のサロンでは月に何人のお客様が必要なのか?」
「この人数を自分一人で対応できるのか?」
「広告費をどのくらいかける必要があるのか?」
といったことが見えてきます。
まとめ
「安くする」より「選ばれる理由」を作る
エステサロンの施術料金に、全サロン共通の正解はありません。
地域、ターゲット、施術内容、設備、技術、営業時間、固定費などによって、適正な価格は変わります。
大切なのは、
①誰に来てもらいたいのか
②どんな価値を提供するのか
③1回の施術でどれくらい利益を残したいのか
④月に何人のお客様が必要なのか
を考えたうえで料金を設定することです。
「集客に自信がないから。とりあえず安くする」
という方法は、開業当初はお客様が来ても、長期的に見ると利益が残らず、価格を上げることも難しくなる可能性があります。
価格を下げる前に、「なぜお客様がこのサロンを選ぶのか」を考えてみましょう。
そして、業務用エステ機器を導入する際も、機器の価格だけで判断するのではなく、
施術料金×想定客数×施術回数
まで考え、どのくらいの期間で投資を回収できるのかをシュミレーションしておくことをお勧めします。
サロン経営は、「たくさんのお客様にきてもらうこと」だけがゴールではありません。
適正な価格で、無理なく利益を残しながら、お客様に長く選ばれるサロンを作ること。
それが、安定したサロン経営につながっていきます。